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確かにこの女性らしい優しい色は、恋愛に効力を発揮しそうな気がする。
真結が顔を上げてそう伝えようとすると、萌の後ろに小学生くらいの女の子がいて、こちらをじっと見つめているのに気付いた。
「どうしたの?」
真結が声をかけると、その女の子は驚いたように大きな瞳を更に大きくし、パタパタと駆けていってしまった。
「あ……」
女の子が去っていった方向を眺めていると、萌が真結の腕をクイと引っ張る。
そして、心配そうな表情で真結の顔を覗き込んできた。
「真結、どうしたの?」
「え……? 萌の後ろに小学生くらいのすっごく可愛い女の子がいて、私の顔をじっと見てるから声をかけたの」
すると、萌は眉を寄せ首を傾げた。
「ほんと? いないじゃん」
「だって声かけたら逃げちゃったんだもん」
「でも、後ろに人の気配なんてなかったよ? 私もすぐに振り返ったけど誰もいないしさ」
「え!?」
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