(1)ココロノオクソコ

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 確かにこの女性らしい優しい色は、恋愛に効力を発揮しそうな気がする。  真結が顔を上げてそう伝えようとすると、萌の後ろに小学生くらいの女の子がいて、こちらをじっと見つめているのに気付いた。 「どうしたの?」  真結が声をかけると、その女の子は驚いたように大きな瞳を更に大きくし、パタパタと駆けていってしまった。 「あ……」  女の子が去っていった方向を眺めていると、萌が真結の腕をクイと引っ張る。  そして、心配そうな表情で真結の顔を覗き込んできた。 「真結、どうしたの?」 「え……? 萌の後ろに小学生くらいのすっごく可愛い女の子がいて、私の顔をじっと見てるから声をかけたの」  すると、萌は眉を寄せ首を傾げた。 「ほんと? いないじゃん」 「だって声かけたら逃げちゃったんだもん」 「でも、後ろに人の気配なんてなかったよ? 私もすぐに振り返ったけど誰もいないしさ」 「え!?」
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