(1)ココロノオクソコ

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「うーん……知らなきゃよかったのかなぁ」 「じゃ、知らないことにすれば?」 「今更無理っ!」  ハァと溜息をつくと、空が更に追い打ちをかけてきた。 「オーダーメイドは結構高いし、高校生にはなかなか手が届かないと思うけど」 「え……」 「あの子、貯金つぎ込んだのかな。バイトなんてやってなさそうだし」 「そ、そんなにするの?」 「一ヵ月のバイト代くらいには思っておいた方がいいんじゃない?」  空に潜在意識を読まれる以前の問題だった。  真結はガクリと項垂れ、ハァーと大きな声をあげながら、また盛大な溜息をついた。
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