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そんなはずはない。女の子は確かにいた。
フワフワとした栗色の髪に薄いブルーの瞳。まるで人形のように目鼻立ちが整っており、成長すればとんでもない美人になるだろうと思われる風貌。
とても印象的な子だった。逃げてしまったのは、急に話しかけられて驚いてしまったのだろう、そう思っていた。
「外国人の子でさ、すごくキラキラした薄いブルーの目で、お人形みたいにめちゃくちゃ可愛い子だったんだよ?」
「え!? そんな子、どこにもいないじゃん」
店内を見渡しながら、萌が言った。
入口からすれば、思ったよりも中は広い。しかし、半分ほどはオーダーメイドの受付スペースや、パワーストーンではなく宝石を扱うエリアになっている。そちらの方にも人はいたが、あの女の子はいない。
真結はもう一度店内を注意深く眺める。するとどうしたことか、あの女の子の姿はもちろん、真結が最初に見た美男美女の外国人たちの姿も消えていた。
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