(1)ココロノオクソコ

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 ◆◆◆  それから二日後、真結は再び校舎の裏門で空とおちあい、「Milestone」へ向かうことになった。  その日の昼休みに、空からメッセージが届いたのだ。  この間、陸からスタッフにならないかと言われ、連絡用に一応ということで陸と空にIDを教えていたのだが、まさかこんなに早くそのことが役に立つとは思わなかった。 「何があったの?」  道すがら空に尋ねると、空はいつも通りぼんやりとした無表情ではあったが、僅かばかり眉を顰めていた。 「この間の客からクレームが入った」 「この間の客って……由梨さん?」 「あぁ」  あの日はまだ商品の受け渡しはなされていない。話を聞き、願いを叶えるために合う鉱石とアクセサリーの形態を決めて、オーダーがなされただけだ。  由梨も納得したように見えたのだが、クレームとは一体どういうことなのか。
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