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「ここは、どこですか?」
「パブの二階だよ。心配しなくても、あとで宿泊代をきちんともらうから、遠慮せずに寝ていっとくれ」
言われてみれば、床下の一階から陽気な酔っ払いたちの声が聞こえる。
ぼんやりとその声を聞いていたノエルは、ようやく思い出した。
「そうだ、ハミルトンたちはどうしたんですか?」
「とっくに帰っちまったよ。気分が悪くなるってんで、別のパブで飲んでんだろうさ。それよりも、アンタが身ぐるみ剥がされないように守って、親切にも介抱してやったんだ。何か、私に渡すものがあるだろう?」
お礼を言おうとしていたが、ノエルは守銭奴なバーバラの態度に苦笑してしまう。
ズボンの内側に隠していた袋から、小銭を取り出そうとした。
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