共同生活はじめます

2/2
前へ
/9ページ
次へ
「う・・・重い・・・」 上に何かがのしかかっているような気がして、私は目を覚ました。 「・・・は?」 私の上には1匹の・・・いや、1人の“猫”がいた。 「あっ、やっと起きた!おはよーあきにゃん!」 真っ黒い猫耳と尻尾がはえている少年は、嬉しそうに言って、ぴょんぴょんと飛び跳ねている。・・・なんだこれ。 「あの・・・どちら様?」 「ん?僕?僕はね、昔あきにゃんに助けてもらった黒猫だよ。」 そう言えば昔、怪我をしていた黒猫を手当てしたことがあったっけ。 「どうしてもその時のお礼がしたくて、僕なりに色々考えたんだ。ねぇあきにゃん、僕の友達になってよ!」 「ともだち・・・?」 あまりに突然だったので、ポカンとしてしまった。 「あきにゃんひとり暮らしだし、友達いないから寂しかったんでしょ?だから、これからは僕がずっと一緒にいてあげるよ!」 “一緒にいてあげる” 家でも学校でも1人だった私にとって、その言葉はとても嬉しかった。 「本当?」 「うん!」 「・・・ありがと」 私は笑顔で答えた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加