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「う・・・重い・・・」
上に何かがのしかかっているような気がして、私は目を覚ました。
「・・・は?」
私の上には1匹の・・・いや、1人の“猫”がいた。
「あっ、やっと起きた!おはよーあきにゃん!」
真っ黒い猫耳と尻尾がはえている少年は、嬉しそうに言って、ぴょんぴょんと飛び跳ねている。・・・なんだこれ。
「あの・・・どちら様?」
「ん?僕?僕はね、昔あきにゃんに助けてもらった黒猫だよ。」
そう言えば昔、怪我をしていた黒猫を手当てしたことがあったっけ。
「どうしてもその時のお礼がしたくて、僕なりに色々考えたんだ。ねぇあきにゃん、僕の友達になってよ!」
「ともだち・・・?」
あまりに突然だったので、ポカンとしてしまった。
「あきにゃんひとり暮らしだし、友達いないから寂しかったんでしょ?だから、これからは僕がずっと一緒にいてあげるよ!」
“一緒にいてあげる”
家でも学校でも1人だった私にとって、その言葉はとても嬉しかった。
「本当?」
「うん!」
「・・・ありがと」
私は笑顔で答えた。
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