猫と少女の共同生活

１

「ところであきにゃん。学校行かなくていいの？」
クロが、テーブルの上にある小さな置時計を見ながら言った。
･･･ん？学校･･･。
･･････。あ。
朝からいろいろあって、学校のことを忘れてた。
慌てて置時計を見る。
今の時刻は、8時ちょうど。
乗らなければいけない電車は、あと5分で発車する。
ここから駅までは、少なくとも10分はかかる。
次の電車で行くと、朝のHR《ホームルーム》に間に合わない。
･･･終わった。遅刻確定だ。
今まで1回も遅刻したことなかったのになあ･･･。
いや、決めつけるのはまだはやい。
電車が遅れている可能性もゼロじゃない。
限りなくゼロに近いけど。
･･･とりあえず、駅まで行くか。
急いで制服に着替えて、家を出る。
クロの「気を付けてねー」という呑気な声にイラッとしながら。