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七つ星商店街は年に1度、7月7日に花火大会が行われる。
夜の8時からスタートする花火は8時45分に最後に1つ、街の名前の由来となった北斗七星の形をした花火を打ち上げて終了する。
19年前の今日、オレとアイツはまさにその花火が打ち上げられた瞬間にこの世に生を受けて生まれてきた。
20年前、七つ星商店街活性化の為に30階建てのマンションが作られ、偶然にもオレの家族とアイツの家族はお隣さんとなった。
そのまま同時期に妊娠。出産も同じ日。何かと縁を感じた二家族はアイツには北斗、俺は七星と名付けた。
それからというもの、必ず誕生日は二家族でお祝いし、最後に花火を見て終わる。
小学校高学年になると、2人で近くにある七つ星様の祠の裏にある大きな木に登って北斗七星の花火を見るのが恒例だった。
ずっと…こんな日が続くんだと…そう思っていた。
変化が起きたのは思春期に片足を入れだした中学1年のときだった。
中学校入学時には同じ背丈だった北斗がグングン大きくなり、あっという間に頭一つ分背が高くなってしまった。
元々アウトドア派の北斗に、インドア派のオレ。
差が出てくるのも無理はないか…と諦めていた。
けど……。
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