打上花火

6/7
前へ
/11ページ
次へ
「なん…で?」 「お前がいつだったか言ってたんだろうが!小学校の屋上で花火が見たいって」 「で、でも!だって!1度しか…それに随分前に…」 「俺が今までお前の話すこと聴き逃した事があったかよ?」 あ…。 「お前は絶対今日は来ると思ってた。俺に会わない気だろーから、七つ星様じゃなくてこっちに来た。ただ、それだけだ」 ゆっくりと拘束を緩められ、視線が合う。 「好きだ」 「………え?」 「お前が好きだ。小さい時から今もこれからも!!」 「へ?……あ?…………んぅ──!!!!」 噛み付くように北斗のソレが俺の唇に触れる。 「ちょっ、まっ…ふぁ…んぅ、ぁ」 口を開けば、その舌で絡め取られる。 気持ちいい──。 気がつけば押し倒され、マウントを取られたまま何度も何度も角度を変えてキスをする。 どれぐらいそうしていたのか…銀糸を作りながら離れた時にはもう息も絶え絶えで。 「本当は…卒業式のあとに言うつもりだった。好きだって………だけどお前が俺から離れていこうとしてたから」 「知って…?」 「何年お前と一緒にいると思ってるんだ。気づいてたに決まってんだろ!!」 強めの声音で言われてビクリと身体をふるわせる。 「お前が俺から逃げようとしてたから…1度は逃がしてやる事にした。今日、もしここに来なければ…な」 逃がして…? 「何を…言って…」 「1つ言っておくが、大学4年間離れたって無駄だぞ?俺は優秀だからな、お前の就職した先や近くで内定貰うのなん簡単だ。………逃げても絶対捕まえる。覚えとけよ」 ギュッと抱きしめられる。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

57人が本棚に入れています
本棚に追加