打上花火

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「お前、青海大学だろ?……俺は今、春日山大学だ」 「え?………は?ちょっ何で?」 北斗が元々志望してた大学じゃない。 それどころか… 春日山大学はオレの通っている大学の隣の市にある大学だ。 「お前は俺の将来を心配してくれてたみたいだが、春日山大学は元々志望してた大学よりランクは上だ。文句ないだろ?」 それに──。 「お前は上手に隠しているつもりかもしれないが、1番見られたくないものは学習机の引き出しに二重構造にして隠してるの知ってるぜ?そこに大学のパンフ隠してたろ。青海の?」 な、な、なんでそれを!!! びっくりして北斗を見れば、ニヤリと笑う。 「言ってんだろ?お前の事で俺が知らねぇー事はないんだよ」 ちゅっと触れるだけのキスをされ… 「なぁ、七星。俺の事が好きだろ?」 さっきまで自信満々だったのに、急に不安げな瞳になってオレを見つめる。 重なった胸の鼓動が全身に響く──。 もうどれが自分の鼓動の音なのか分からない。 「……き」 「あ?」 「…………すき。北斗が……だいすき…」 自分の気持ちを伝えて、ちゅっと自分からキスをする。 「っ!」 「んっ…ふぁん……ほく…とぉ…すぅ…ん…きぃ…んぅ」 すぐに主導権を奪われ、息もつけないほどのキスを…。 オレたちは離れていた4ヶ月間を埋めるかのようにひたすら唇を重ねていた──。
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