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朝帰りをした肌で感じる、朝の陽射しの感触って独特だ。
身体はぐったりと疲れているし、いろいろあって……
泣き腫らした目には、『陽射し』という字のように明るい太陽の光は射し込むように眩しく、目蓋や目にぐいぐいと突き刺さってくるようだ。
午前6時。
普段なら、もうとっくに起きていて朝の支度に取りかかる時間だけど、今日は日曜日だから今帰っても大丈夫だろう。
……問題は帰宅時間ではなく、別のところにある。
家の玄関に立って鍵を開けた。
思っていたよりも大きく『ガチャリ』という音が響いて、心臓がドキッと音を立てる。
リビングはすでにカーテンが開けられていて、朝の明るい光が差し込んでいた。
……もう起きてた。
帰宅時間はごまかせなかった。
ふぅ、とため息をつく。
覚悟を決めて私はリビングへと足を踏み入れた。
「お帰り。……ずいぶんと『早い』時間に帰って来たな」
開口一番の嫌味も仕方なく受け入れる。悪いのは私だ。
「ただいま。……遅くなってごめんなさい」
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