私たちはグレーな関係です

2/13
1013人が本棚に入れています
本棚に追加
/663ページ
ギシ……ギシとベッドが軋む。 はぁ、はっ、という息づかいを耳にしながら、私は切ない吐息を吐き出した。 いつもの手順と決まりきった愛撫。 最初から最後まで『どうするか』『どうなるか』もう手に取るように分かるのに、それでも時間を費やすのは家族の為だと自分を納得させる。 修吾()だって同じ気持ちのはずだ。 時を重ねていくうちに愛を確かめ合うはずの行為は義務になり、ただの予定となってカレンダーに組み込まれた。 こんな風になってしまったのは、いつからだったっけ。 ねぇ、と話しかけようとしても隣にはもう修吾の姿は無い。その度に私はどうしようもなく虚しい気持ちに襲われる。 そして、私はいつも心の中で涙を流す。 涙の中で意識が溺れていくような……そんな感覚に囚われるのだ。
/663ページ

最初のコメントを投稿しよう!