『ばらされたく』なかったら……

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*** 仕事を終えて携帯を見ると一件のLINEが入っていた。 「『ナオキ』があなたとお友だちになりました」と書いてある。 あの男はナオキという名前なんだ…… ……でも待てよ。ほんとうはナオキなんて名前じゃないのかもしれない。 名前なんて、本名じゃなくても適当に登録できるし。 そして、決してあの男は『オトモダチ』などではない。 ……出来ることなら、ブロックしたい。 本人もブロックできたらいいのになぁ。 出来もしないことを考える私は、相当動揺しているのかもしれない。 ブロックしてやりたかったけど、このメッセージを無視した場合のリスクの高さを考えて諦める。 そして、私はナオキとオトモダチになった。 私が知ってる唯一の男の情報は、本名かどうかも分からないこの名前だけ。 それに対してこっちは名前も職場もばれている。 圧倒的に不利だ。 そう言えば……『ウサミ』のエプロンを付けていた。 『ウサミ』で働いている人なんだ…… だから新郎さんのお友達?と聞いた時に、微妙な顔を見せたのだろうか。 だけど、見た目で分かる情報もここまで。 後は男の動きを待つしかない。 主導権は……まだまだ向こう側にあるようだった。
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