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幹部を尋問する
赤い点――『スネイルの幹部、もしくは一定以上の魔力の持ち主』
5つあったそれも、残るは1つ。
城を出ていく方向へ動いていたが、僕らが他の赤い点を斃し終えた頃には、方向を変えていた。
城の中央へ、戻る方向へと。
「言っただろ?『どうせ、すぐ戻ってくる』ってさ」
師匠の予測した通りになったわけだけど――なるほど。
地図を見たら、分かった。
逆に、何故分からなかったという話でもある。
だって、師匠が言ってたじゃないか。
『あそこが、集積場だね』って。
最後の赤い点が、もうすぐここに着く。
着くことが出来ればの話だけどね。
「なにあれ、凄っ! 凄~い!」
見るなり、セリアが笑いだした。
僕らはいま、見下ろしている。
翼型の魔道具で、飛び立った空の上から。
地図では、赤い点が、まっすぐこちらに向かって進んでいる。
実際の景色では、瓦礫を乗り越え、息を切らし走る男――あれが、そうだろう。
そしてその後ろの彼らは、地図には表示されていない。
『飽くること無き殺人者』
ただ殺人だけを目的とする死体の群れ。
この城の周辺にあった数千の死体。
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