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火竜退治
今回は、ちょっと早かったかもしれない
でも結局は、いつものパターンだった。
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「グギィオオオオオオオオオオ!!」
火竜が、赤い全身を『ぎっ』と凝らせた。漏れ出た魔力の余波が、彼の棲家である谷底にヒビをはしらせていく。小型とはいえ、四大古龍の一種。巨大さは、まるで家に手足が生えたかのようだった。
ジャン、メリッサ、クラウド、そしてこの僕――ディーサン。
Cランクの冒険者パーティ『ミスリルの団結』。
不躾な侵入者である僕たちを、目玉を震わせながら火竜は睨めつけ。がぱりと口を開いて。そして火の息を吐いた。
「グオハァアアアアアアアッ!!」
並の人間だったら、近くをかすっただけで身体が爆ぜてしまう熱閃を。
しかし――
「うらあああ!『受・即・散』!!」
――リーダーである盾師のジャンが、両手の盾の妙技で受け止め霧散させた。
熱は散らされ、魔力の残滓が、宙に結晶状の陽炎を残して消え失せる。それでも流石に無傷とはいかず、特にジャンは、体側から背中にかけて皮膚が炭化するほどの火傷を負っていた。
「『癒しの風』!」
それを治すのが、補助術師である僕の役目だ。
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