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田舎のお通夜。
夜通し明るいのだろう…。
この日はもう年末も近く、すごく冷えた夜でした。
私は、彼の実家にお邪魔して焼香を済ませました。
彼の父と挨拶をして温かいお茶を頂きながら、世間話として今日の私のオンボロナビの話をしました。
すると彼の父は、
「ん…何処に行ったって…」
と、不思議そうに聞いてくるのです。
私は電柱の住所を覚えていたので、それを教えました。
「小さな橋のところかな…」
「そうです。小さな橋を越えたところですね。そこで目的地ですって言われたんですよ」
「それは、死んだばあさんの実家の場所だな」
彼の母親の一緒になって
「そうやね。そのあたりやもんね。たぶんばあさんも連れてきて欲しかったんやろう…」
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