第五話 タクシーの女たち

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さすがに年末の北新地。 不景気と言えども人は多い。 そんな事を考えながら、私は今一度さっきのタクシーを見た。 赤い服の女性の姿が無い。 あれ…。 私は車を見間違ったのかと思い、その周辺のタクシーを見た。 しかしその赤い服の女性は何処にもいなかった。 そのうち車は動き出した。 私もそのまま、その事を忘れてしまった。 見間違いだったのだろうと。 その日はそのまま事務所に帰り、冷たい水で顔を洗って仕事を続けた。 その時にはすっかりそんな事は忘れてしまっていた。
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