第一話 もう一部屋ありませんか…

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ホテルのスタッフは黙ったまま立っている。 「それと…この部屋の隣。もう一部屋ありませんか」 その事実を私自身認めるのも嫌だったのですが…。 スタッフは初めて頭を下げました。 スタッフが言うには、この隣の部屋である事件があったと言う。 詳細までは教えてくれませんでしたが、ある程度感じ取れました。 それ以来、かなりの客が不思議な体験をしたそうです。 そのため一部屋封鎖し、その隣の部屋には万全を期して複数枚の「御札」を貼っているようでした。 「あまり感じない方は問題ないようですが、たまにお客様のような方がおられます」 スタッフは私にそう言う。 「そういうお客様には部屋を代わって頂くようにしておりますが、あいにく本日は満室でして…」 いまさらホテルを変わる訳にもいかず、諦めてその部屋に泊まる事にしました。 ホテルのスタッフはその後、「清め塩」をもってやってきました。 二人のスタッフが部屋中に塩を撒き、部屋のあちこちに塩を置いていきました。
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