第四話 石

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第四話 石

この感覚を最初に覚えたのは社会人1年目の事でした。 私は、あるコンピュータシステム会社で働いてました。 夜も遅くなることが多く、当時実家に住んでいた私は、毎朝少し先の大きな駅まで自転車で行き、終電までの時間を少し稼ぐようにしてました。 その日は少し雨が降ってました。 いつも国道を走って帰っていたのですが、雨という事もあり、裏道と言われる旧街道を走って帰る事にしました。 この道も高校時代からよく自転車で走っていたので、慣れた道でした。 少し雨が強くなり、大きな家の軒下に自転車を停めて、少し雨宿りをしていました。 少し湿ったタバコを取り出して吸いながら雨が少し弱くなるのを待ってました。 時間は既に深夜2時を回ってました。 雨はどんどん強くなり、深夜の街に雷鳴が轟きだしました。 そんな時間の旧街道。車はめったに通らず、人の気配もありませんでした。 正確には覚えてませんが、二十分ほど待った後、雷が遠くに去ったので、雨の中走る事にしました。 まったく人の気配のない道。 両側に民家はあるのですが、明かりの点いている家もほとんど無く、自転車のライトとたまにある街灯の明かりだけが、雨に吸い込まれていくようでした。
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