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第3話 巫女集結
翌日
「昨日は疲れましたね。姫」
「ええ、まだ信じられない話ね。私たち人間の知らない所で神々が悪に染まって敵に回るなんて」
二人は昨日のことについて話しながら境内の掃除をしている。だが、作業は昨日の話であまり身に入ってないようだが。
「姫、夜剣神様は何をしているのですか?」
「剣様はまだ眠っていましたよ」
「呑気なものですね大変な事態になっているというのに。私は昨日あまり眠れていませんよ」
そう言う千里の目にはよく見るとうっすら隈が出来ており化粧で隠しているのが分かる。
「千里あまり気を張ってはいけませんよ。いつも通りに過ごさなければなりません」
「それは、そうですが。やはり私は不安なのです神と戦うことになると思うと。姫は不安ではないのですか?」
不安気に聞いてくる千里。
「そうですね確かに不安です。神々を信じてきたのですから。ですが、私たち人間にとって今はある意味で試練なのかもしれません」
「試練?」
「そうです。神々の存在を認識した人間たちは神を頼ることが多くなり己で考えるということが少なくなりました。人は神に頼らなくても歩むことが出来ることを今一度思い出すいい切っ掛けになります」
神々を認識してからの人間たちは考えることをせずに何かあれば神々に直ぐに頼りに行くようになり退化と言ってもよい状態になっている。
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