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第1章 始まり
神社
「今日はいい天気ね。いいことがありそう!」
一人の女性が縁側に座りそんなことを呟いた。女性の名は神威聖羅この神社の姫巫女であり最強の姫巫女である。他の者からは姫と呼ばれている
「姫、そんなことを言わないでください。姫の良いこととは私たちにとってはあまりいいことではないのですから」
姫をたしなめたのは側近の一人であり同じ姫巫女である久留生千里(くりゅうちさと)である。
「ええ、そんなことないですよ。うん?」
聖羅は何かを感じ取ったように門の方を向いた。
「姫?」
「いいことよりも悪いことの方が先に来たようですね」
そう言われ千里は初めて気が付いた。
「まさか・・・・・・」
千里がそう呟くと同時にでかい音が神社内に響き渡った。
ドガ―――――――ン!!!
「やぁ!やぁ!やぁ!会いたかったよ、姫」
入ってきたのは紳士然とした服装でありながらチャラい感じの男だった。
「また、あなたですか!普通に開けることはできないのですか!?」
玄関までやってきた千里は大きい音を出した男に怒鳴りつけた。彼の名は林啓二(はやしけいじ)はいつもでかい音をたて神社内に入ってきており迷惑な男だがそれだけではなく聖羅の許嫁なのである。
「そんな、必要はないだろう、千里ちゃん。僕は聖羅の許嫁なんだよ?」
「それとこれとは別ですここは神社です。あなたも神社の神主になるのでしたらもう少し慎みを持ってはいかがですか」
「はは!僕ほど慎みを持った人間はいないよ!」
どこからその自信が来るのか自信満々にそう話す。
「啓二君?」
二人がそんな話をしていると様子を見に来た聖羅が現れた。
「やぁ!姫会いたかったですよ!」
「何しに来たのですか?」
不機嫌といった表情で啓二に言う。
「何って決まっているじゃないですか?式の日取りを・・・・・・」
最後まで言い終えることなく空から何かが落ちて啓二に当たった。
「いてて、出てくる場所を間違えた」
空から落ちてきたのは青年だった。この出来事にさすがに予想外だったのか巫女の二人も呆然とするしかできない。
「あ、あの」
「うん、なんだ?・・・・・・その服、巫女か」
「は、はい。あなたは?」
「俺か?俺は・・・・・・」
「き、貴様------!!!」
ガシッ!
青年が名を名乗ろうとしたとき青年の下敷きになっていた啓二が体を起こし、青年を掴む。
「なんだ?お前は」
「なんだ、だと。この僕のことを知らないのか!?僕は・・・・・・」
「いや、やっぱりいい。やかましいから少し黙れ」
「ヒッ!」
青年の迫力に啓二はおびえ始めた。それだけではなく、聖羅や千里も震えていた。
「この迫力まさか、あなたは!」
聖羅は何かに思い当たったのか顔を青くし始める。
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