異変

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の立場になってたかもしれない。そう考えると、不幸中の幸いだったね。」と話していた。その後私は真鈴に対して、「今日は、昨日みたいに遅くならないように気をつけるから!早くしないと、日が暮れちゃう。だから、今日のノルマを早く達成できるように頑張ろっ。」と言って止まっていた手の動きを再開させ、課題に取り組みだした。真鈴も「そうだね。」と答えてから再び課題に取り組み始めた。私と真鈴は、得意科目が異なっていたため、お互いに得意なものは教えて、苦手なものは教わるという形で協力して課題を進めていった。その甲斐があったからなのか、休憩を終えて再開してからは比較的早くノルマを達成できた。その時点で私が時刻を見ると18時30分。太陽は沈み始めていたが、まだ十分に明るい時間帯だった。私は、「ノルマは達成できたし、今日の勉強会はここまで。時間も時間だしね。」と言って、真鈴に帰るように促した。真鈴も、同級生の涼希くんの事があったからか、素直に「うん。」と答えて、帰る準備を始めた。私は、真鈴の準備が終わった事を確認してから、母親を呼び、真鈴を送ってくれないかということを頼んだ。母親も意図を理解したようで、「わかった。」と答えた。その後私は、真鈴に、「わからない所を教えてくれてありがと。すごくわかりやすくて助かった。また今度も教えて!じゃあね。」と伝えた。すると、真鈴も、「私のほうこそありがとだよ、岬ちゃん。岬ちゃんの教え方、とても上手で助かった。私も教えるけど、岬ちゃんもよろしくね。また今度。じゃあね。」と答えて帰って行った。お母さんは、真鈴が玄関から出るとき、「真鈴ちゃん、ちょっと待って!太陽も沈み出してるし、あんな事もあったから家まで送って行こうか?」と尋ねてくれた。あんな事というのは、言わずもがな、同級生である涼希くんのことだった。私も、送って貰った方がいいと思った。けれど真鈴は、「まだ明るいから大丈夫てす。バスも沢山走っていると思うので。それに、岬ちゃんの家からバス停までは、歩いて10分くらいの距離だから。お気遣いありがとうございます。」と丁寧に断って、歩き出した。私とお母さんはかなり心配ではあったけれど、無理に車で送るわけにもいかないと思い、「気を付けてねー!」と言いながら真鈴の姿を見送った。私たちは、小さくなっていく彼女の姿が見えなくなるまで手を振り続けていた。でも、その日の夜…。
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