0人が本棚に入れています
本棚に追加
れど、この2つは何か関係があるんじゃないですか?私は、今から真鈴が向かったバス停へ行きます。何かわかったら連絡するので、すぐに電話へ出られるようにしていてください。」と言った。母親は、「わかりました。この天候ですし、十分気を付けて下さい。その場所に着いた時、何か少しでもおかしいと思う点があったら、そのままですぐに連絡お願いします。多分、それはこちら側の案件だと思うので。」と伝えて電話を切った。私は、そのやり取りを聞いている時、お母さんたちが全くの別人のように感じた。それが気になって、思わず、「どういう事なの。」と聞いてしまった。けれど、答えてくれるわけがなくて、「岬はまだ知らなくていい、知る必要のない事。その時期が訪れたら全ての事を教えてあげる。だから、それまで待っていて。」とはぐらかされてしまった。私は、納得することはできていなかった。でも、お母さんが頑固だという事は、私が一番よく知っていた為、それ以上は深く追求しなかった。そのやり取りがあってから15分後。再びお母さんの携帯が鳴った。相手はもちろん、真鈴のお母さん。雨と雷は一段と強くなり、それに加えて風も吹き始めていた。母親は、すぐに「はい」と応答した。そして、私に伝わらないようにという配慮からかはわからないけれど、廊下に出て行った。「強い雷雨でー。言えませんがー。涼希くんー状態でした。」「やっぱり、そうですか。少しずつーが弱まってーことか。これはー年前と同じ…。ひとまずの対処はー。だけど…。」廊下とリビングは少し離れているため、私は全てを聞き取る事はできなかった。けれど、この状況がかなりマズイという事、そしてそれがどうにかしなくてはならない事だというのだけは理解できた。今、このアユウ市で何が起こっているのか知ることはできなくても、神社の娘としての勘はこれからも失踪は続く、その解決のために私が一枚噛むことになるー。そう告げていた。
時間は進み、夏休みも中盤に入った頃。その予感通りの事が起こり始めていた。2人は未だ見つかっていない。それどころか、明美野中の生徒の失踪は続いていた。でも、私たちは、絶対にみんなは無事だろうと確信していた。一見すると、何も変わっていないかのような日常。けれど、あの日ー。2人目の失踪者が出た日ー。そこから確かに何かが変わりつつある。私は、そう感じていた。その理由は2つあった。
最初のコメントを投稿しよう!