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多分、私がいう事を彼は察しているだろう。坂元はそんな繊細な奴だ。
「あの、俺、中途半端でごめんな、」
《ああ、そんなことないよ、私の身勝手を受け入れてくれてるのに……吉月君が女の子と付き合うようになっても私は大丈夫だよ。だから、合コン目一杯楽しみましょう……》
彼は恐れている。しかし、彼を安心させる方法は無い。例えば彼が女だったとしても、同じことだ。別れというのは突然やって来るものなのだから。私たちは成り行きに任せる他は無い。
《でも……》
「ん?」
《そう、夜戯城、私たち、またあぶれたら、あそこに行きましょう》
彼は何かを誤魔化したが私は話を合わせた。
「おお、いいねえ、でも大丈夫?今度も失神したりしないかなあ。」
《あの時は感動しまくってたからね、でも二度目だから大丈夫なんじゃない?》
川崎のためだけの企画だったが、坂元の思いつきから、楽しみな日になった。
それで良いのだと思う。
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