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2.硬い話 後編
「とにかく、手を焼くほど硬い!」
そりゃあ土井はバリバリの経理マンだし、人見知りなところがあるからね。
「なんの品種だかわからないけど、信じられないほど硬かったんだよ。会社のベランダで採れたカボチャ」
ーーーはい?
「カボチャだよ南瓜。今年の夏に初めて収穫できた本社のベランダ産のカボチャを、ハロウィンの為に取っておいたんだ。
収穫したては水分が多過ぎて美味くないって聞いたから、寝かしておいたんだ。ホクホクの方が好きだからね。
いざ調理しようとしたらさ、硬くて!包丁が入らなくて参っちゃったよ」
かぼちゃ……。
「包丁も砥石も社長室にあるんだけど、俺には腕が無いからね。ここはひとつ、和食のプロフェッショナル 土井の出番だと思ったのよ。
で。呼んでみたら大正解。あっという間に下ごしらえが済んでしまった! 楽しいな、かぼちゃ料理は♪
あんなに硬かったのに、内側からはあっさり切り崩せるんだよ! 征服欲を満たすね!クセになりそうだよ」
社長室のベランダ、ミニトマトだけじゃなかったんだ……。
「なんだよ、変な顔して。
そもそもユキオ君が俺に教えたんだよ、土井がウチの会社に来た頃に「面白いヤツが来たね」って。
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