第1章 ジャズの大海原に飛び込んで

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 そして「なぜ?」が、とにかく多い。質問が多いのはいいことだし、好奇心旺盛なのは子どもらしくて素晴らしい。でも、ちょっと想像したらわかるようなことまで「なぜ?」の連発なのは疲れる。  いや、疲れるとか言っちゃいけないし、顔に出してもいけないし、子どもからの質問には1つ1つ向き合うのが教師の仕事なんだけど。重々承知しちゃいるんだけどね。  ほかにもいろいろ、何かこの子は難しいと感じる場面があって、らみちゃんに対する苦手意識が胸の内ではむくむく育ってる今日このごろ。家庭訪問で保護者さんと話したら、その難しさを解決できるんじゃないかと期待してたのに、肝心の保護者さんと連絡がつかず。  保護者さんの音信不通っぷりが異常なんだ。家の電話は留守電で、おかあさんにつながるはずのケータイは「電源が入っていないか、電波の届かない場所」ってアナウンス。お宅にお邪魔するならまず電話って思ってたけど、そろそろ限界だ。  らみちゃんを乗せた車は、やっぱり繁華街へと向かってる。どっちかっていうと大人の雰囲気の街並みで、大学時代には背伸びしてこのへんのバーに繰り出してたよな、って場所だ。小学生が夕方に来るような土地柄じゃない。     
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