第六章

30/31
540人が本棚に入れています
本棚に追加
/310ページ
 まだ夢心地のアディは、操られるようにテオの手をとった。その様子を見て、テオが薄く笑う。 「しっかりしてください。せっかく私が指導したのですから、立派な王太子妃として振る舞うのですよ」  急に執事の口調に戻ったテオに、アディは我に返ってあわてて背筋をのばした。その口調で言われると体が勝手に緊張してしまう。もはや条件反射の域だ。  それを、テオはにやにやと笑いながら見ている。 「面白いな。しばらくはこれで楽しめそうだ」
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!