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「じゃ、こっちはこっちでぼちぼち南下しますよ。」
「そうだね。急いで引き返すわ。」
「気をつけてね。」
「直太郎もな。」
「殿やらみんなにもよろしく伝えといてくだちい。」
「いや、それ。」
馴染みのコミュニケーションはとても懐かしく今まで緊迫した空気に一拍入れた。
「ケータイがあったらすごい便利なのにねー。」
「わかるわー。昔の人すげぇ。」
この世界に来てまだ少ししか経っていないものではあるが如何に自分たちのいた世界が恵まれているものか改めて実感したのであった。
直太郎は去り行く一寿に
「じゃなあ。」
と叫ぶと一寿は振り返ることもなく走り去る馬の上で右腕でサムズアップをした。
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