第1話「やるせない朝の一時」

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「ねえ、(はやと)。昨日の三者面談、先生は良く言って下さっていたけど、本当に学校の勉強は大丈夫なの?」 「いや、うん、まぁ……」  大丈夫じゃないはずなんだけど、あんな風に先生から言われると、もしかしたらという気になってくる。単純だもの。  ひょっとして、俺はまだ本気出していないだけだったのか?  自分でも気付かない、隠された学力があったりしちゃったり? 「なぁ~~んて、んなわけ無いよなぁ~~」 「……やっぱり、お母さん心配だわ」  高校2年生になったというのに、まだ中二的な妄想をしてしまいそうになるが、かろうじて現実が見えているだけ俺の頭はまだ正常のようだ。偏差値は異常だけど。
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