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「あら、そろそろ学校に行く時間よ」
「ゲッ! もうそんな時間かよ……」
穏やかな朝の優雅なコーヒータイムを満喫できる夢の休日は、儚くも既に終わりを告げていた。
サザエさんの曲とともにやってくる『また月曜日か』という億劫な気持ちを引きずって迎えた月曜日。喧噪とした朝の時間は、他愛もない親子の会話をするだけで瞬く間に過ぎ去っていく。
別に親と特別に仲が良いわけではないが、家庭内が一番の平穏空間であることは間違いない。
将来ひきニート、いや自宅警備員の有望株といっても差し支えない程だろう。ぶっちゃけ働きたくないでござる。というか社会怖い。
その一社会であり、個人の学力と人間関係が最もシビアに生活幸福度に直結する学校が、今日から再び始まるのだ。毎週のことだが、考えただけで憂鬱になる。
行かなきゃいけないと分かっているからこそ行きたくない。
何の楽しみも喜びもやりがいも無い、ついでに友達もいない学校生活に、一体何の意味があるというのだろうか。
「ハァ……。んじゃ、いってきまぁ~~す……」
――ぐだぐだしていても仕方ない。この世界は残酷っていうしな。諦めよう。
ブラック企業に務める中間管理職の如き悟りを開き、渋々ながら気怠い身体に鞭打って、今日も今日とて学校へと向かった。
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