プロローグ「第8の未解決問題」

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プロローグ「第8の未解決問題」

『あなたは魔法が実在すると思いますか?』  何っっっってベタな質問なんだ!!?  そして、こじらせた重度の中二病でもない限り、答えは明白といっていい。  そりゃもう、現実の何たるかを知っている高校生は勿論、今時じゃ夢見がちな小学生でも即答ですね、ハイ。  こんな問い、通常ならば特に思案することも、ましてや回答に窮することもない。  そう、通常であれば。  今、ここで真に問題なのはコレが「学校のテスト問題」だということだ。  分からんっっ!!  何が分からないって、色々あるが最大の謎は「出題者の意図」だ。  数学のテストなのに、何でそんな国語の説明文読解みたいなことを考えないといけないのかは一旦置いとこう。  ここまで散々ローマ数字やx、yを使った計算問題が続いて、ラスト一問という所でまさかの変化球、まさかの珍問。  一見すると意味深に見えなくもないし、尚且つテスト作成時に『100点まで残り3点あるし、適当に面白そうな問題作っちゃお♪』的な、そこはかとない取って付けた感もプンプンする。  ふざけて答えて良いものか、真面目に回答しないといけないのか、それとも……。  と、他の数学問題で得点が期待できない分、この難問(?)に集中したいのは山々なのだが、如何せん時間が無い。  無回答というのも答えとしては中々に深いが、恐らくそんなことは求められていないだろう。  なぜ俺はこんなにも悩んでいるのか、だんだんと現実逃避の自問自答が頭に浮かんできた。  ……いや、本当は悩む理由なんて気付いている。  ただ、それを言葉にするのが不安で、怖くて、恥ずかしい。  でも…………。 「――――よしっ!!」  無い知恵と勇気を振り絞った末に、俺が導き出した答えは――――。
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