1章 村長

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「はいぜよ! やっとワシの出番かや、待ちくたびれたきー!」  名を呼ばれた者は神の前に立ち、次の転生先を決められる。  しかし、どうやって転生先を決めるのかと言えば。今回は《くじ玉》だ。  転生先の書かれた紙を玉の中に入れて更に箱の中に全ての玉を入れてかき混ぜる。箱に付いたハンドルを回せば、先程の玉が1つ出てきてそれが今回の転生先となる。  何を隠そう、これは俺が考案した方法。名付けて、《ガチャシステム》だ!  あまりに勇者ばかり続くので嫌気がさし、神に頼みこんで選考方法を変えてもらったんだ。  因みに、最初は木の棒に転生先が書かれた物を順番に引くって言う、お粗末な物だった。  しかし今回のガチャシステムならば完全にランダムに公平に平等に転生先を決められる。  神はガチャシステムのハンドルを回す。  ―――――ガチャ――――― 「坂本龍馬、君の次の転生先は――犬!」 「犬!? 犬じゃと!? 犬は初めてじゃ! これは楽しみじゃきー!」 「ノラにならないように精一杯頑張ってね!」  そう言って神は坂本さんを激励した後、転生の間の片隅にある小部屋へと移動させ、どこかの世界へと転生させる。 「次、宮本武蔵! 前へ!」 「うむ」 「前回、君はかなりの人間を切ったみたいだね」     
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