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「しかし……今回の仕事は初めて取り入れた技法ばかりだったからかなり大変だったが納得のいく生涯最高の武器を作ることが出来た。礼を言うよ、ありがとう」
「さすがは魔界一の刀匠、名に恥じぬ仕上がりだ。大切に使わせて貰うよ、本当にありがとう!」
俺は細身の剣を少年に、杖をお嬢ちゃんに手渡した。
「おお! 本物の剣だ! すごい、すごいぞ! そして軽い!」
「なに……これ……。頭の中に何か流れ込んで来る……これは知識?」
二人も武器の持つただならぬ存在感、潜在能力に気付いたようだ。その様子を見て刀匠は満足げに言う。
「二人も武器に気に入られたようだな、武器が喜んでやがる。強力な武器は気難しい奴が多いから心配だったが安心したよ。相棒だと思って仲良くしてやってくれ」
「ああ! こちらこそ宜しくな!星屑の正義剣!」
「よろしくね!星降る英知の杖!」
「ぬっ……。いったいどうした? 少年、お嬢ちゃん。様子が、というかネーミングセンスがおかしいぞ……」
まあ、少年はステータスを見る限り厨二病らしいから普通なのかもしれないけれど、お嬢ちゃんはどう考えても変だろう。どうやったら《星降る英知の杖》にヒステリックロッドというルビが振られるのだろう。
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