4章 伝説の武器、呪われパ

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 俺は水の都ベネツィを後にして、山道を歩いていた。最初に来た道を戻っている最中だ。  《俺は》となぜ、単独で歩いているかと言うと。少年とお嬢ちゃんは少し先に行って遊んでいるようだ、つまり例のアレだ。発作が出たのだ。  鬱蒼と生い茂る木々の小道を足元に注意しながら歩いていると木の陰から小石が飛んできた。   《勇猛に3のダメージ!》 「はあ……」  今度は木の陰から中型の石が飛んできた。  《勇猛に18のダメージ!》 「痛てて……」  いちいち避けるのも面倒くさいので基本的に避けない事にしている。 「「きゃきゃきゃっ!」」  サバイバルゲームのつもりだろうか? とても楽しそうな少年とお嬢ちゃんを横目に見て、俺は可愛い子ちゃんの店で大量に買い込んだ薬草を頬張る。大体こうなる事は分かっていたのだ。  森見るとやりたくなるよね、サバイバルゲーム。 「うん……薬膳的な味がクセになる」 《#勇猛__いさみたける__#のHPが30回復した》  小石や、中型の石や、枝や、たまに大型の石まで飛んでくる(大型の石は流石に避ける)ので定期的に薬草を食べつつ歩を進めていく。     
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