4章 伝説の武器、呪われパ

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 最近よく思うんだけど……あれって武器のせいじゃなくて普通に楽しむ為にやってない? 武器に魅了されているのになぜ俺に危害を加えてくる? 武器が俺を敵対視しているというのだろうか? 武器の心理はわからないけど、なんとかならないものだろうか?   今の所は悪戯レベルの物事だから、そこまで重要視はしないけど……。  でも、地味に効いてくるんだよなあ……。 「痛っ……」  特に精神的に……。  どんな事でも積み重ねは大事です、100回も食らえばかなりのダメージになっちゃいます。  また死んじゃいます……。  などと考えていると、幾つもの枝がリズムよく弾けるような音が森の中に響き渡った。地面に伸びる自分の影に巨大な影が重なって、一瞬で鳥肌が立ち全力で回避する。 「――っ!」  俺めがけて倒れてきた巨木は大地を力強く叩くと、鈍く重苦しい声あげながら横になった。  巨木の声が反響する中、倒れた木はようやく横になれたと喜んでいるようにも見えた。 「「いえーい」」  相変わらず楽しそうな二人に命の危機を感じつつも、言い知れぬ慈愛の心が湧き出る自分に少し驚いて笑みが零れる。 「――痛っ!」  このままだと身体が薬草みたいな色になるかもしれないと、少し心配になった。
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