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1章 村長
ここは天界、転生の間。
各世界で役目を終えた魂達が新たな肉体へと生まれ変わる場所。転生の詳細は教えられていないが大まかに言えば、すでに完結している物語の中に自分が何かになって転生するって感じだ。それは村人だったり、会社員だったり、虫だったり、そして勇者だったり……。
そして今日、俺にとって記念すべき100回目の転生の儀となる。
因みに今までの俺の転生先は何の因果か宿命か99回連続の《勇者》だった。もはやただの嫌がらせである。
とは言っても最初の内は……2回目ぐらいまではかなり嬉しかった。『俺には勇者としての真の素質があるんだ!』って、はしゃいでいた。
それから回を重ね5、6回目くらいからさすがに様子がおかしい事に気付き始めた。何千何万とある候補の中からなぜ毎回なのか?
神に何度も相談したが真相は結局わからないまま今日に至る。
100回目。
キリが良く、三桁突入で、特別な数字。
何かが起こる気がする。
奇跡が起きる気がする。
俺が言い知れぬ緊張感と期待に胸を踊らせている間にも転生の儀は進行していく。
「次、坂本龍馬! 前へ!」
神の使いが転生者リストを読み上げる。
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