小鳥遊山椒という女

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小鳥遊山椒という女

勘解由小路降魔と十二人の僕達 仄暗い窪の底から 小鳥遊山椒(たかなしさんしょう)は、ネット記事をいちいち渉猟していた。 所謂噂に過ぎないオカルトの情報の分析が、小鳥遊の仕事だった。 噂サイトを閲覧しながら、小鳥遊は煎餅を齧っている。 一家惨殺事件に怨霊の影が これ解決したの旦那でゲス。怨霊は戦部さんが1発でゲシた。 伊豆半島をさまよう七人ミサキの怪 これは諫早さんが見たんで一人ミサキでゲス。空中分解したでゲス。 紀伊半島の寒村の廃寺で発見されたスクナヒコナのミイラの呪い これ旦那が扉蹴破って箱ごと焼いちまったでゲス。芋焼いて食ったでゲス。 よく考えたらあの二人がチート全開で斬獲した形跡しか残ってねえでゲス!飯の食い上げでゲス! 小鳥遊の脳裏にサイトの記事が浮かんだ。 怪奇課のチートコンビ。悪魔使いと毒蛇女の快進撃。問答無用で怪奇事件を斬獲 アクセス数稼げねえでゲスああああああああ! 小鳥遊は頭をかきむしって叫びそうになった。 何なの?なんであいつ等乱麻を断つというかぶった切るの?ムッチャクチャ過ぎる。 この前も九州で、一般人を三人殺っちまうし。 諫早も諫早だ。勘解由小路に言われるがまま邪眼を使ってるし。 九州で何があった?八王子で一人殺ったようだが、何をした?あの山田という男は。 頭をかきむしりながら、小鳥遊はディスプレイを見つめた。 おやあ?この記事は? 小鳥遊は新たな特ダネを求めて、食い入るように記事を見つめていた。 3日後、小鳥遊山椒は、忽然と姿を消した。
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