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― 泣く子も黙る丑三つ時 ―
「ふっふっふ。ふが10個で豆腐とはよく言ったものデス。ようやくこのときが来たデス!今日がデビュー戦です。早速魂(タマ)をとって栄光の幽霊街道まっしぐらデス」
パソコンの画面に向かう男の背後に忍びよる。
「これはチャンスデス。隙だらけデスね。やっぱりここはオーソドックスにいくデス。ひひひっ」
深呼吸して息をしっかり整える。
「うーらーめーしーやー」
声は確かに届いたはず。
「えっ?」
ひひ、振り返りましたね。
「・・・・・」
あっ。目が合った。
「・・・・・」
じーっと見詰め合う。
「ええええ」
恐れ戦けデス。
「お主は何者なりか?」
?変な奴デスまぁいいデス。
「私は恐い幽霊デス。今日から毎日祟りに出てやるデス。さっさと魂よこすデス」
「おっ、お主は本当に幽霊なりか?」
「本当デス。さぁ恐怖するデス」
「・・・・・・・・・モミン」
「ギャァァァァァァ。何で胸を触るデスか」
「おおっ、何か柔らかいような感触が。お主は幽霊なんでござろう。ならば触っても法には触れないと愚考する所存」
「何を考えてるデス。手つきが嫌らしいデス」
「ハァハァハァ・・・・よく見ると可愛い。魂が欲しいのでござろう。コッチにコッチに」
「イヤァァァァァ。キモいぃぃぃぃ。くんなぁぁぁぁ」
私は空気に還った。
「待つでござる。魂を取りに毎晩くるのでござろーう」
もう嫌ーー。
初陣は敗戦に終わった。
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