第1話 初陣

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 ― 泣く子も黙る丑三つ時 ―  「ふっふっふ。ふが10個で豆腐とはよく言ったものデス。ようやくこのときが来たデス!今日がデビュー戦です。早速魂(タマ)をとって栄光の幽霊街道まっしぐらデス」  パソコンの画面に向かう男の背後に忍びよる。  「これはチャンスデス。隙だらけデスね。やっぱりここはオーソドックスにいくデス。ひひひっ」  深呼吸して息をしっかり整える。  「うーらーめーしーやー」  声は確かに届いたはず。  「えっ?」  ひひ、振り返りましたね。  「・・・・・」  あっ。目が合った。  「・・・・・」  じーっと見詰め合う。    「ええええ」  恐れ戦けデス。  「お主は何者なりか?」  ?変な奴デスまぁいいデス。  「私は恐い幽霊デス。今日から毎日祟りに出てやるデス。さっさと魂よこすデス」  「おっ、お主は本当に幽霊なりか?」  「本当デス。さぁ恐怖するデス」  「・・・・・・・・・モミン」  「ギャァァァァァァ。何で胸を触るデスか」  「おおっ、何か柔らかいような感触が。お主は幽霊なんでござろう。ならば触っても法には触れないと愚考する所存」  「何を考えてるデス。手つきが嫌らしいデス」  「ハァハァハァ・・・・よく見ると可愛い。魂が欲しいのでござろう。コッチにコッチに」  「イヤァァァァァ。キモいぃぃぃぃ。くんなぁぁぁぁ」  私は空気に還った。  「待つでござる。魂を取りに毎晩くるのでござろーう」  もう嫌ーー。  初陣は敗戦に終わった。  
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