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「あれ? 怒らないの?」
不思議そうな顔をする隼人に、琴莉も首を傾げる。
「なんで怒るんですか?」
「だって、仕事じゃなくて趣味って言ったんだよ? 真剣に仕事やれって怒られるかと思った」
「……私、報告書や清算書の提出みたいな事務処理以外で怒ったことないと思うんですが」
「あ、そうだっけ?」
あははは、と笑う隼人にガクリと項垂れた。一体どんなキャラだと思われてるのか。
「仕事の捉え方は人それぞれだと思います。隼人さんみたいに趣味みたいに楽しめる人もいるし、お金を稼ぐ手段として割り切る人もいるし」
鏡に映る隼人の目が大きく開く。琴莉はつい、隼人を見上げてしまった。
「どうし……あ、すみません、動いちゃって」
「あ……あぁ、大丈夫だよ」
我に返り、うやむやに返事をする隼人を見て、琴莉は再び首を傾げる。
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