02. スパルタはどっち?

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「冗談です」 「ほんと? やっと蔵本さんも冗談言ってくれるくらいに懐いてくれたかぁ!」 「懐いてはいません」 「つれないなぁ」 「部下をつってどうするんですか」  憎まれ口を叩きながらも、琴莉の表情は柔らかい。恥ずかしいところを晒してしまったせいで、少し警戒が解けているのかもしれない。  自覚しながらも、琴莉はあえてそれを受け入れていた。 「泊めていただいた上、ヘアメイクまでしていただいて、ありがとうございました。今度こそ帰ります」  琴莉が頭を下げて部屋を出て行こうとすると、またもや隼人に腕を絡め取られる。 「……まだ何か?」 「うん」 「何ですか?」 「せっかく可愛くしたから、このシワシワも何とかしよう」 「あ……」  服のまま寝たものだから、しわくちゃになっている。しかし、アイロンをかけるとなると、服を脱ぐ必要がある。  琴莉はブンブンと何度も首を横に振った。
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