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「いえ、それはいいです」
「ダメだよ。別の部屋を貸すし。それに、スチームで簡単に皺が伸ばせるアイロンがあるから」
「あー、ハンガーにかけたままっていうやつですか?」
「そうそう」
しかしそれでも服を脱ぐことに変わりはない。それに、せっかく綺麗に整えてもらった髪が崩れてしまう。
「でも……」
「僕ので申し訳ないけど、部屋着貸すし」
「髪、崩れちゃうし」
「そんなの、すぐに直してあげるし。はい、じゃあ行こう」
あれよあれよという間に、別の部屋へ連れてこられる。隼人はスチームアイロンと部屋着を持ってきて、琴莉に渡した。
「どうぞ」
「えっと……はい」
すっかり隼人のペースに乗せられている。ドアが閉じられ、完全に逃げ場を失った。髪も顔も完璧、服まで完璧に整えないことにはここから出してもらえそうもない。
琴莉は仕方なく、隼人から渡された部屋着に袖を通すことにした。
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