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ぶかぶかのパーカーを被っただけの格好、袖もぐるぐる巻きにしてやっと手が出ている。こんな状態の姿を見られる訳にはいかない。
琴莉がハッと気付いて、鍵をかけようとドアに駆け寄った時にはもう遅かった。隼人がドアを開け、琴莉はそのまま隼人に突進してしまう。
「ったぁ……」
「なかなか大胆だね、蔵本さん」
琴莉の身体を軽々と受け止め、隼人が耳元で囁く。琴莉は「ぎゃあ!」と奇声を上げ、慌てて隼人から離れた。
「すごい声!」
「だ、だだ、だって!! いきなり入ってくるとか!」
「着替えたって言ったでしょ?」
「言ってませんっ!」
「でも着替えてるし」
隼人は笑って琴莉の姿をマジマジと見つめる。たまらず、琴莉はその場に蹲った。
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