02. スパルタはどっち?

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「ふざけすぎたね。でも、可愛いのはホント。こういうの、男のロマンだからさ」 「そんなロマン、さっさとゴミ箱に捨ててきてください」 「ヒドイなぁ」  隼人はあっけらかんとして笑いながら立ち上がり、アイロンに水を注ぎ始める。 「あ、私が……」  隼人にアイロンがけをさせる訳にはいかない。琴莉が立ち上がって手を出すと、隼人はそれを押しとどめた。 「いいからいいから」 「そんな訳にはいきません!」 「じゃあ……お礼ってことで」 「何の!?」  またもや隼人はニヤリとからかうような笑みを向け、アイロンを持っていない方の手で琴莉の頭をポンポンと撫でる。 「可愛い格好してくれたお礼」 「……す、好きでしたんじゃありませんっ!!」 「あはははは!」  再びその場に蹲る琴莉の側で、隼人は声を上げて楽しそうに笑い、上機嫌で琴莉の服にスチームを当て始める。  琴莉は恨めしそうに隼人を目線だけで見上げながらも、昨夜からの失態続きになかなか顔を上げられずにいた。
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