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「ふざけすぎたね。でも、可愛いのはホント。こういうの、男のロマンだからさ」
「そんなロマン、さっさとゴミ箱に捨ててきてください」
「ヒドイなぁ」
隼人はあっけらかんとして笑いながら立ち上がり、アイロンに水を注ぎ始める。
「あ、私が……」
隼人にアイロンがけをさせる訳にはいかない。琴莉が立ち上がって手を出すと、隼人はそれを押しとどめた。
「いいからいいから」
「そんな訳にはいきません!」
「じゃあ……お礼ってことで」
「何の!?」
またもや隼人はニヤリとからかうような笑みを向け、アイロンを持っていない方の手で琴莉の頭をポンポンと撫でる。
「可愛い格好してくれたお礼」
「……す、好きでしたんじゃありませんっ!!」
「あはははは!」
再びその場に蹲る琴莉の側で、隼人は声を上げて楽しそうに笑い、上機嫌で琴莉の服にスチームを当て始める。
琴莉は恨めしそうに隼人を目線だけで見上げながらも、昨夜からの失態続きになかなか顔を上げられずにいた。
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