02. スパルタはどっち?

65/68
前へ
/389ページ
次へ
「恭子さん?」  自分の申し出を思案するのかと思いきや、恭子がいきなり笑うので、隼人は呆気に取られる。  恭子はクスクスと笑いながら、「ごめんなさい」と謝った。 「いやぁ、まさか隼人君の口からそんなセリフが出るとは思わなくて!」 「は?」 「琴莉ちゃんを加えることは、私の方でも考えてたの」 「え!?」  今後は隼人の方が驚きで目を見開く。 「それをどうやって隼人君や琴莉ちゃんに了承させようかなぁと思ってて。琴莉ちゃんはまぁ……私が拝み倒せば受けてくれるだろうけど」 「うわぁ……さすが恭子さん、強引」 「琴莉ちゃんは隼人君と違って? 私の言うことちゃんと聞いてくれるし、予想以上の成果を上げてくれるし、ほんといい子を引っ張ってこれたと自画自賛してるわよ」 「僕も恭子さんの言うこと聞きますよ? 蔵本さんの件もちゃんと聞いたじゃないですか」  不満そうに訴える隼人にデコピンし、恭子はすぐさま言い返す。 「それは自分が楽できると思ったからでしょ! まぁ、実際は最初に思ったほど、楽はできなかったと思うけどね」  隼人はクッと喉を鳴らして頷く。
/389ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6671人が本棚に入れています
本棚に追加