02. スパルタはどっち?

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「報告書を提出する義務は隼人君にあるけど、作成まではないってね。ちょっと驚いたけど、まぁわからなくはないし。それに、琴莉ちゃんが自分でやった方が速いし、時間も読めるしね。本人も都合がよかったんだと思うわよ」 「僕の仕事をきちんと理解してくれているんだと思いました」 「でも、本来は隼人君が作成するべきものだからね! 清算だって、本当は役職があろうがなかろうが、自分でやるものなんだからね!」 「あはははは! わかってはいるんですけどねー」  笑って誤魔化す隼人を見て、恭子はしょうがないといったように肩を竦める。 「で、今度は隼人君が琴莉ちゃんを鍛える番って訳?」 「……鍛えるなんてとんでもないです。ただ、彼女の中で足枷になっているものを外したいと思って」 「コレクションがキッカケになるかもしれないってこと?」 「今はまだわかりません。でも、前のイベントで蔵本さんが活躍した実績はあるし、その時の恭子さんの話を思い出した時、連れて行きたいと思いました」  隼人の顔を見て、恭子は軽く頷いてイエスの返事をした。
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