02. スパルタはどっち?

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「了解。琴莉ちゃんの同行を許可します。説得は隼人君がするのよ」 「もちろんです。ありがとうございます」 「他にはない? 私、あと十分で別の会議が入ってるんだけど」 「大丈夫です。それじゃ、失礼します」  隼人が自分の荷物を持って部屋から出て行く。その後姿を眺めながら、恭子は再び笑みを浮かべ、肩を竦めた。 「琴莉ちゃんの中の、閉じている何かをこじ開けようってことかしらねぇ……。ふふ、どっちがスパルタなんだか」  想定していなかった化学変化に、恭子の中でワクワクとした子どものような気持ちが芽生える。この変化が更にどういった進化を遂げるのか、そしてどのような結果を生み出すのか。  恭子は現時点での結果に満足するように大きく頷き、ミーティングルームを後にした。
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