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「マジですか、琴さんっ!?」
パスタをクルクルと巻いていたフォークを取り落とし、祐奈が驚きのあまり固まっている。
琴莉はフゥと悩ましげに溜息をつき、眉根を寄せて頷いた。
「嘘だと言ってもらいたい……」
「なんでっ!? すごいじゃないですか! EAST JAPAN Collectionに行けるなんて! いいなぁ、私も行きたいなぁ」
「遊びに行くんじゃないんだけど」
「そっかぁ。じゃ、いいや」
「仕事だと、見たいものも見れないしなー、つまんなーい」と言いながら、再びパスタをフォークに巻きつける祐奈を見て、琴莉は小さく笑う。
この割り切り方が祐奈だ。あまりにもらしくて、何だかホッとする。
「それにしても、よほど買われてるんですね! やっぱり前のイベントで活躍したから?」
「さぁ? だとしても、恭子さ……えっと、課長から頼まれるならわかるんだけど」
対外的には恭子のことは「課長」と呼ぶべきなのだが、いまだに「恭子さん」と名前で呼んでしまいそうになる。
恭子と二人の時はそれでも構わないと言われているが、今はとりあえず「課長」と呼んでおく。
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