03. 動き始めた運命の輪。

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「え? 白嶺(しらね)さんからじゃないんですか?」 「そうなんだよね……」 「もしかして、隼人さんから?」 「……」  沈黙は肯定、祐奈はパァッと表情を輝かせた。 「なんで祐奈が嬉しそうなのよ?」  ぶすっとした顔で琴莉が言うと、祐奈は琴莉とは対照的にウキウキした顔になる。 「だって、何か面白そうですもん! 琴さん、あんなに隼人さんが苦手だったのに、一緒に出張とか行っちゃうんだーって思って!」 「他人事だと思って!」 「他人事ですよー。だから面白いんじゃないですか!」  なんて正直者……。琴莉は益々不機嫌な顔になる。 「でも、大きなイベントって結構大変ですよね? 琴さんはどんなことするんですか?」  琴莉の不機嫌顔もなんのその、無邪気な顔で尋ねてくる祐奈に呆れながらも、琴莉はそれに答える。  いくら凹んでも、もう行くことが決まってしまったのだ。今更グダグダ言っても始まらない。
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