03. 動き始めた運命の輪。

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「ブースでの販売補佐、かな。隼人さんの補佐は美容部員の人たちがやるから、私はお客さんからの問い合わせに答えたり、品出ししたりとか」 「へぇ……。とすれば、商品の知識がなくちゃダメですよね?」 「うん。でも、前のイベントでもそうだったから割と入ってると思う。だけど今回は先行発売する新商品がメインだから、それをしっかり頭に叩き込まないといけないんだよね」 「うわぁ……私、そういうの苦手」  化粧品の販売には、その商品の詳細な知識が必要だ。成分などはもちろん、商品を使うとどのような効果が得られるのか、それにアレルギーについてなども聞かれることが多いし、想定可能なありとあらゆる知識を詰め込んでおかなければならない。  聞かれたことに対して言葉に詰まるようでは、販売員は務まらない。そんな販売員から直接肌に触れるものを購入しようとは誰も思わないからだ。
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