03. 動き始めた運命の輪。

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「好きなんです、ずっと前から!」  琴莉は給湯室で項垂れる。しまった、やはり立ち去るべきだったと自分の行動を悔やんだ。  聞こえてくる声は間違いない、英美里のものだった。告白するには当然相手が必要であり、英美里が好きな相手と言えば……。 「ありがとう」  思ったとおり、隼人の声が聞こえてきた。どうしてこんな間の悪いところに出くわしてしまったのか。  これ以上は聞くまいとそのまま給湯室を出て行こうとしたが、音を立ててはいけないという緊張のためか、上手く足が動かない。そうこうしているうちに、話はどんどん先へと進んでしまう。 「私と付き合ってくれませんか?」 「……ごめんね。坂下さんの気持ちは嬉しいけど、付き合えない」  申し訳程度に間は入れたが、速攻で断っている。以前、隼人は英美里のことを苦手だと言っていたのでしょうがないとは思うが、何となく英美里が気の毒になってしまった。  しかし、英美里もこれくらいではへこたれない。すぐさま隼人に言い返す。
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